デートじゃないけど

プレゼントは、可愛い雑貨屋さんで購入！


【多映】
（お店で話が盛り上がってしまった。外に出たら、すっかり夜。）

【大祐】
「遅くなっちゃったね。大丈夫かな？」

【多映】
「はい、まだ全然大丈夫です」

【大祐】
「とは言っても……送るよ」

【多映】
「あ、はい」


壇野さんに送ってもらって帰る事になった。


【大祐】
「稽古も楽しいけど、たまには息抜きもいいよね」

【多映】
「稽古って楽しいですか？　私はお手伝いだけなので、気楽な立場ですけど、役者さんは大変じゃないかなって」

【大祐】
「ああ、そうだね……でも……僕にとって江村さんは尊敬出来る人だし、歩さんはアクシアが休止してからも、なにかと連絡をくれていて。そんな二人と一緒にまた舞台が出来るなんて本当に夢みたいだよ」

【大祐】
「……もちろん、芝居自体は難しいけど」

【多映】
「ヤミの事ですか？」

【大祐】
「ヤミもそうだけど、お芝居全体というか、僕には判らない感情がいっぱい詰まっている感じがして……」

【大祐】
「そのせいかな、最近、なんだか落ち着かないんだ」

【多映】
「緊張してるんじゃないですか？　公演が近付いてるし……」

【大祐】
「そうだね……そうなのかもしれないね。だけど、引き受けてよかったなって思ってる」

【大祐】
「アクシアが休止した時、もうアクシアの芝居には関われないのかもって思って、すごく残念だったし悲しかった。それが、こうしてまたやれる事になったし、僕がこんな役を貰えるなんて思ってなかったしね」

【大祐】
「演劇部の二人にも偶然出会えて、楽しくやれてるしね」

【大祐】
「それに…………多映ちゃんにも会えたし」

【多映】
「……はい……」

【多映】
「私も……よかったです。その……いろいろお手伝い出来て」